写真の表現力UPには「前ボケ、どーん!」

メインの被写体の前に「ボケ」がある写真を「前ボケ」と呼びます。

この「前ボケ」は表現力をUPさせ、ニュアンスのある写真を撮ることができるマル秘テクニックです。早速、撮影方法をチェックしましょう!

3つのポイント

❶主役を奥に配置

“やわらか素材”越しのシャッター

❸光の反射を味方につける

❶主役を奥に配置

主役となる被写体の手前に、ボケを作るための素材を配置します。

トライしやすいのは花壇やお花畑など。一番見せたい花を奥に配置し、手前の花を思い切って「どーん」とぼかしてしまうのです。

手前の花の色がとろけるように画面を彩り、奥に置いた主役の花がより際立ちます。奥行きも感じられる1枚になりましたね。

 

主役を人物にすると、幻想的な雰囲気を演出する手法としても使えます。

 

 

このほか、空き地によくある金網なども、前ボケに使えますよ!

例えば、公園の金網の向こうにある黄色い花を撮りたい。そんな時は、黄色い花にフォーカスを当てながら、グッと近づきます。

 近所の公園です。

手前の金網がボケて、幻想的な写真になりました!

 

 

動物園でもトライできます。こちらは、上野動物園で柵越しのペリカン。

手前の緑もボケて、なんだか隠し撮りしているみたいになりました(笑)。

 

 

“やわらか素材”越しのシャッター

いつも手前のお花をぼかすだけではありません。お花や植物以外で前ボケを作るために、身近なの素材を用意しましょう。

用いる素材はやわらかいものがお勧めです。レースのカーテンやティッシュペーパーなど、白い物が使いやすいです。白は画面のなかで主張しすぎず、情景を邪魔しないボケを作ることができます。

 

お花にピントを合わせて、1枚のティッシュペーパーをレンズに近づけて撮影しました。

 

 

光の反射を味方につける

光の玉を前ボケに使ってみましょう。

光の反射が丸い玉のようにぼけた状態を「玉ボケ」と呼びます。

 

 

イルミネ―ションがあれば、それを利用しない手はありません。夜の澄んだ空気も伝わってくる一枚に仕上がります。

 


木々の葉に落ちた夜露を前ボケに利用すると、朝のさわやかな様子が伝わる写真にもなります。

 

写真がボケるのは、ピントがあっていないから。でもあえてのボケは表現力をUPさせるテクニックのひとつです。

「前ボケ、どーん!を合言葉に、試してみてください!